公務員のタスクマネジメント推進室

個人でもできる働き方改革!

整理するフェーズの整理方法

仕事の実行力を上げる仕組みには、

3つのフェーズがあることをご紹介しました。

 

前回の記事では、最初の<集める>フェーズについて、

細かく触れていきましたね。

 

shiningspringstyle.hatenablog.jp

 

<集める>フェーズでの最優先事項は、

「漏れなく集めること」でした。

漏れのない安心感は、格別なものです。

 

 

さて今回は、

漏れなく集めた後の〈整理する>フェーズについて書いていきます。

 

 

 

なんのために整理するのか

集めたものを、なんのために整理するかと言えば、

「あなたが、行動しやすくなるように」

ということになります。

 

行動するためには、さまざまな障壁があって、

その壁を乗り越えながら進むのは、

思ったより容易ではありません。

 

整理するのは、

あなたが進みやすくするような地図を作る作業と言ってもいいです。

 

 

 

行動がしやすくなれば、

達成する成果も変わるでしょう。

 

行動がしやすくなれば、

多忙であっても安定します。

 

行動がしやすくなれば、

残業時間も、減らすことができます。

 

 

 

 

 

整理して収める場所

人が行動するには、「意味」が必要です。

なんのために、この仕事をするのか?

という意味が必要なのです。

 

行動に対して「意味」が明確であるほど、行動力が上がるということです。

 

 

逆に言えば、

意味も分からずやらせられる業務は、

モチベーションが上がりません。

なんのためにやるのか分からないToDoリストがいくら増えても、

エンジンはかかりません。

 

 

では、「意味」を感じるためには、どのようにしたらよいでしょうか?

 

「役割の与えられた箱」に収める

 

ということです。

 

 

 

情報・資料を役割の与えられた箱に収めるということは、

その情報が、なんのためにあるのか。

その情報は、どのような状態なのか。

を明確にしておくということになります。

 

 

ここが明確でないと、

大事な情報を見過ごしてしまったり、

大したことない資料をずっと机の上に置きっぱなしにしてしまったり、

モヤモヤと頭の隅に引っかかるノイズになったりして、

行動の妨げになってしまうんです。

 

 

 

役割の与えられた箱

 

すでに役割の与えられた箱であれば、「ここに入っているものは、◯◯のためにある」という整理がしやすいのです。

代表的な「役割の与えられた箱」をここで紹介しておきましょう。

 

カレンダー

一つ目は、カレンダーです。おなじみですね。

カレンダーの役割は、「予定の決まっているイベント」を書いておく

というものです。

 

<集めるフェーズ>で集めた情報のうち、「予定の決まっているイベント」はカレンダーに落とし込みましょう。

 

メモ用紙であれば、カレンダーに書き写したら、捨てていいですよね。

Eメールも、要らなくなります。

ノートに書いてあれば、カレンダーに書いた後は「×」印をつけておくと、処理済みだと分かりやすいです。「×」印の多いノートは、いいノートです(処理済みがされているという意味で)。

 

フラットファイル

フラットファイルは、これまたおなじみですね。

ドッチファイルもあると思いますが、ここではフラットファイルの名前だけ出しておきます。

 

「◯◯年度 健康診査」とか

「◯◯年度 土地評価額」とか

すでに用意されているファイルがあれば、そこに綴じ込みます。

 

これもまた「役割の与えられた箱」に収めるということになります。

 

クリアファイル

フラットファイルを作るまでもないけど、ある程度分けて置いておきたい。

そのような書類も、かなり多いです。

 

その場合は、クリアファイルを使います。

フラットファイルの背表紙にあたるものは、インデックスシールを貼れば、使いたい時に探しやすくなります。

 

インデックスシールと言っても、ちゃんとしたのを貼る必要はなくて、

大きめの付箋紙で充分です。

 

クリアファイルに収める書類は、ずっと保存しておくものよりも、処理が終われば不要になるものの方が多いと思います。

だから、インデックスシール(大きめの付箋紙)も、一時的なもので、どんどん貼り替えられていくイメージです。

 

アーカイブ(保存庫)

アーカイブという言葉は、聞き慣れないかもしれません。

保存庫、書庫、情報資料室といったような意味です。

情報や資料を、長期間置いておく場所を指します。

 

川の水が流れ着いた湖のようなイメージです。

 

しばらくは、使いそうにない。

でも捨てるわけにはいかない。とっておきたい。

 

そのような情報資料は、アーカイブという箱へ移しておきます。

 

アーカイブにはいくつか種類があって、すでに挙げられた「フラットファイル」「クリアファイル」も、アーカイブの役割をします。

その他のアーカイブを紹介します。

 

パソコンデータのアーカイブフォルダ

パソコンの中に、かなりの数のアーカイブデータがあると思います。

それらは、「アーカイブ」というフォルダを作って、そこに入れておきましょう。

いつまでもデスクトップ画面に貼り付けてあると、作業効率を落とすことになります。

フォルダ内は、検索をすれば情報が見つかりますので、「アーカイブ」フォルダの中は、あまり整理する必要はありません。

その代わり、検索しやすいタイトルをつけておきましょう。

もちろん、アーカイブフォルダの中に、さらにフォルダを作って整理しておいても大丈夫です。

 

Eメールのアーカイブフォルダ

Eメールにも、フォルダが作れます。

最初はだいたい「受信メール」のようなフォルダが設定されていて、そこに送られてきたメールがどんどん入ってきます。

 

読み終わったメールが「受信メール」フォルダに入りっぱなしだと、作業が必要なのか、捨てていいのか、取っておけばいいのか、よく分からなくなります。

 

そこで、取っておきたいメールについては、「アーカイブ」というフォルダを作って入れておきましょう。

メールもワード検索によって探すことができるので、細かくフォルダ分けする必要はありません。

 

ついでに言うと、Eメールで作っておきたいフォルダは、

・受信箱

アーカイブ

・あとで作業する

・削除

の4つがあれば充分です。

 

たったの4つでも、「アーカイブ」と「あとで作業する」を分けるところが、画期的に重要なのです。

イメージとしては、「アーカイブ」はフラットファイル。「あとで作業する」はクリアファイルに近いかもしれません。

 

クリアフォルダのアーカイブエリア

フラットファイルを作るまでもない書類は、クリアフォルダにインデックスをつけて整理するといいことを紹介いたしました。

そのクリアフォルダの中には、作業が終われば捨ててもいいものもあれば、いつまた使うか分からないので、取っておきたいものもあります。

 

そのため、アーカイブするためのクリアフォルダを置くエリアを、分けておきましょう。

使っては捨て、使っては捨て、という入れ替わりのあるクリアフォルダのエリアと、しばらくずっとそのまま置いてあるアーカイブのクリアフォルダのエリアに分かれていきます。

 

なんでも情報保存シート

なんでも情報保存シートって、なに!?と思われたでしょう。

これは、たった一枚のWordデータです。

 

このWordデータに、細切れの情報を、ひたすら追記していきます。

 

細切れの断片的な情報を、どこに保存しておこうか、悩むことはありませんか?

机の上に貼っておいたら、付箋まみれになってしまいます。

ノートに書いておいたら、使いたい時に探しきれません。

デスクマットの下に置いたら、変に目についてしまいます。

 

そこで、Wordなのです。

Wordは、検索機能がついています。

何百ページにわたる情報があったとしても、検索機能で、瞬時に情報を探し当てられるのです。

だから、一つのWordデータの中に、断片的な情報をてんこ盛りにすることができるのです。

 

ここでのポイントは、「困ったら、ここを探せばたいてい情報が見つかる」という状態にしておくことです。

つまり、付箋やノートなど、いろんなところに情報をバラバラにしないで、このWordの中に集約しておくということです。

「困ったときは、ここを覗くと、情報が見つかる」

この状態にしておくことが、効率的であり、安心なのです。

 

Wordの中は、一切の整理は要りません。

でも、検索する時のキーワードはくっつけておくと、探しやすくて便利です。

いわゆる「タグ」のようなものをついでに付けておくイメージです。

 

 

ToDoリスト

さて最後は、ToDoリストです。

だいたいの方が、多かれ少なかれ、ToDoリストを作っているでしょう。

 

作業する必要のある情報は、ToDoリストへ書き込んでおきます。

 

人によっては、「紙資料を机の上に置いておき、目につきやすくすることで、やり漏らしがないようにする」という方法をとる方もいます。

そういう方は、机の上に書類が山積みになって、作業効率が悪くなったり、結局やり漏らしが発生したりすることも散見されます。

 

「◯◯をやる」という情報は、あくまでもToDoリストに落とし込みます。

その作業に必要な情報・書類は、アーカイブやクリアフォルダに分けておいておきます。必要な時に、取り出せればいいのです。

 

「◯◯をやる」というタスクは、すべて一つのToDoリストに集約しておくことで、やり漏らしの発生を防ぐことができます。

 

ToDoリストは、紙に書く人、付箋紙に書く人、いろいろいます。

自分のやりやすいツールを使うのがいいですね。

 

私のおすすめは、Excelです。

なぜなら、いくらでも追記できるし、編集できるし、優先順位で整理しやすいからです。

 

(特に私は、TaskChuteというタスク管理のために開発されたExcelツールを愛用しているのですが、それはまた別の記事で書くことにします)

 

 

ここではあまり詳述しませんが、ToDoリストはいくつか分類したほうが使い勝手がいいです。

メインリスト

「今日やることだけ」をピックアップしたリストです。

 

スタンバイリスト

「いつかやりたいことだけ」をピックアップしたリストです。

メインリストへ掲載される日を、スタンバイしています。

3〜4段階の優先順位をつけておくとグッドです。

 

返事待ちリスト

相手に投げかけて、そのリアクションを待っているリストです。

リアクションがあって、はじめてもう一歩進められることがあります。

 

ルーティンリスト

同じことを繰り返す行うタスクです。

毎日、毎週、毎月、毎年など、繰り返しのスパンには、バリエーションがあります。

毎日の業務の軸になるリストです。

 

 

この4つに分類しておくと、かなり使いやすいToDoリストになります。

 

 

役割が助ける行動力

このように、<集める>フェーズで集められた情報・資料は、<整理する>フェーズで適切な箱(役割)へ振り分けられていきます。

 

役割というのは、行動の基準でもあります。

立ち居振る舞いが定められています。

 

箱(役割)に収まっていることで、

「次はどうするか」が分かりやすくなるんですね。