公務員のタスクマネジメント推進室

個人でもできる働き方改革!

実行するフェーズにおける「行動の基点」

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整理するフェーズでは、メインリストというToDoリストを作りました。

そのメインリストが、あなたの行動の基点になります。

いつもそこに立ち返り、「次にやること」を確認するイメージです。

 

 

多様な情報が舞い込む職場では、

「次にやろうとしていたこと」が、あっという間に頭から吹き飛んでしまうことがよくあります。

突発的なことが立て続けに起これば、優先順位がよく分からなくなります。

 

 

しかし、行動の基点があることで、

行動のブレをなくすことができるのです。

行動のブレがなくなるということは、

振り回されず、心のブレがなくなり、

精神状態も安定するということです。

その行動の基点が、メインリストと呼ばれるものです。

 

 

メインリストでは、上から順にタスクを並べるのがルールです。

優先順位や時間帯によって、どのような順番で並べるのがよいか、ある程度決まってきます。

 

上から順にタスクを消化すればいいことが分かっていると、

「次に何をするか」「今日は何をすべきか」が明確になっています。

 

最適なタイミングで、

最適な手順で業務ができたら、

行動力が上がること間違いなしです。

 

 

 

この<実行する>フェーズでは、

行動の基点となるメインリストを作る時のポイントを中心に解説していきます。

 

 

 

 

メインリストとは

メインリストとは、ToDoリストの一種です。

私の提案するタスク管理では、メインリストと呼んでいます。

 

メインリストには、「今日やること」が書いてあります。

昨日のことも、明日のことも書きません。

いつかやりたいことも、やらなきゃいけないことも、書く場所は別になります。

 

メインリストに書かれているのは、「今日やること」だけです。

そういう役割にすることを決めます。

 

 

 

セクションに区切る

セクション、という言葉は聞き慣れないと思います。

 

メインリストで使うセクションとは、時間帯という意味です。

 

 

1日の従業時間を、8:30〜17:00とします。

8時間30分です。

 

この8時間30分を、どう使っていくか?

それを考えるには、自分の行動リズム、マイ・ペースを尊重する必要があります。

自分だけにしかない、快適な一日のリズムを尊重するのです。

 

リズムというのは、「波」です。

エネルギーやモチベーションが、高い時があれば、低い時もあります。

人間であれば、波はあるのです。

 

従業時間中において、

どの時間帯に最もエネルギッシュであり、

どの時間帯に最もウィークネスなのか。

それは、あなただけのリズムです。

 

であれば、

最も困難な仕事を、最もエネルギッシュな時間帯にあてたいですよね。

最も簡易な仕事を、最もウィークネスな時間帯にあてたいと思います。

 

そうやって、セクションごとの特徴を見出し、

セクションごとに仕事を割り振っていきます。

 

セクションをどのように区切っていくか。

最初は、2時間ごとに区切っていくのがいいでしょう。

例えば、

セクションA 8:30〜10:00

セクションB 10:00〜12:00

セクションC 12:00〜13:00(昼休憩)

セクションD 13:00〜15:00

セクションE 15:00〜17:00

というのが、標準的なモデルです。

ここから始めて、微調整していくのがいいでしょう。

 

マイ・ペースは、偉大です。

セクションで区切ることにより、自分だけのペースに安定化を図ります。

 

 

ルーティンをつくる

ルーティンとは、同じことの繰り返しです。

 

刺激や変化が好まれる時代において、同じことの繰り返しは、

日陰者の扱いを受けてきました。

 

いわく、

「ルーティンなんて、やってられないよ」

「ルーティンなんて、自分のやるべき仕事じゃない」

「ルーティンなんて、価値なんてない」

「ルーティンなんて・・・」

 

しかし、ルーティンの持つ効用を、見直すべきがきています。

 

ルーティンを制する者が、仕事を制し、職場を制する。

 

そう言っても過言ではないのです。

 

 

所要時間の見積もりをする

やりたいことは、多すぎます。

やらなきゃいけないことも、多すぎます。

 

今日やりたいことをToDoリストに詰め込むと、

間違いなくオーバーフローしてしまいます。

 

「今日だけじゃ、時間が足りなかった」という結果になるのです。

 

時間が足りないのはいいとしても、

「今日やるべきことが、できなかった」

という状態で終わると、困ってしまうのです。

 

だから、

「今日やるべきことが、できなかった」

を防ぎたいと思います。

 

 

そのための工夫は、

タスクが終わるまでの時間を見積もる

ということです。

 

 

あるタスクを終わらせるのに必要な時間は、5分。

別のあるタスクを終わらせるのに必要な時間は、12分。

 

そうやって、

ToDoリストに書かれたタスク一つ一つに見積もりを出しておくと、

ToDoリストに書かれたすべてのタスクが終わるのが、何時になるのかが分かります。

「今日やりたいタスクにかかる時間をすべて足したら、終わる時間が22時だった」

とか、よくあることです。

 

 

これは、別の視点から見るとこのような使い方ができます。

 

見積もり時間をすべて足したら、従事時間(8:30〜17:00の8時間半)の中に収まるようにする

 

というやり方です。

従事時間の中に収めようとするから、優先順位を絞り込もうとするのです。

従事時間を気にしなかったら、いくらでもタスクを詰め込んでしまうので、

トータルの従事時間「量」を意識することで、

タスクの「量」を絞り込むことができるのです。

 

また、子ども送迎や親の介護が必要な職員であれば、終わる時間を死守しなければなりません。

仮に、「今日は、子育てや介護を気にせずに仕事ができる日だ」という日があったとしても、余計なことをするわけにはいきません。

 

タスクの所要時間を見積もることで、

残業込みであろうと、定時上がりであろうと、

従事時間内に、優先順位の高いタスクを絞り込んで、組み立てることができる

という状態にすることができます。

 

 

ToDoリストを紙ベースで作成する場合は、

所要時間を見積もり、合計を出して調整することは、難しいでしょう。

この考え方は、ExcelやWebなどITツールを使うことを前提としています。

 

私の使っているTaskChuteというツールは、Excelを使ったものなので、

合計を出したり、所定の時間に納めたりするのは、得意分野です。

 

 

いつかやること(オープンリスト)

タスク管理術の界隈では、

クローズドリストとオープンリストという考え方が有名です。

 

クローズドリストというのは、”閉じている”ことが特徴です。

”閉じている”ために、追加されることはありません。

 

上記で説明してきたメインリストは、

実は、このクローズドリストを想定して作られたものです。

 

「今日やることは、これ」と決めて、あまり追加しないToDoリストだからです。

 

 

そのようなクローズドリストと対になって活躍するのが、オープンリストです。

”開いている”ToDoリストです。

 

”開いている”ので、いくらでもタスクを追加できます。

あれがやりたい、これがやりたい。

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ。

いつかできたら、いいだろうなぁ。

そういうタスクの中は、とても実現可能性が低いものがあるでしょう。

「何を夢見てるんだ!」と叱られそうなタスクもあるでしょう。

 

だからと言って、なにも捨て去ることはありません。

いいじゃないですか、夢のあるタスク。

そういうものをメインリストに入れ込むと、おそらく手付かずに終わるでしょう。

そして、ただの邪魔者として消し込まれる運命です。

 

いやしかし、夢のあるタスク、いいじゃないですか。

楽しいじゃないですか。

ぜひとも、リストに残しておきましょう。

 

ただし、残しておくリストは、オープンリストです。

オープンリストという名前のToDoリストに、思いついたタスクはすべて詰め込んでおきます。

けして忘れないように。でも、登場しなくていい場面で、登場しないように。

 

オープンリストは、いくらでもタスクを詰め込んでいいものなので、

必然的に数が膨大になっていきます。

 

そのため、オープンリストに必要なのは、大雑把な優先順位です。

3〜4段階くらいの優先順位をつけておけば、それほど間違うことはありません。

 

私は、1週間ごとに優先順位を見直していますが、

優先順位をつけておくことで、「次は何をするべきか」が分かりやすいのです。

「今すぐできないけど、夢のあるタスク」は、第3優先か、第4優先くらいにしておくと、邪魔にならずに、でも忘れ去られずに、出番を待つことができます。

 

優先順位は、時間が経つと変わるものです。

いつの間にか、優先順位が下がるものもあれば、

以前はすぐやる必要はなかったのに、今はすぐやらなきゃいけないタスクも出てきます。

だから、優先順位の付け替えや、優先順位に沿った並び替えが、

サクッとできるツールが望まれます。

その面から見ても、Excelベースのツールは、とても相性がいいと思います。

 

 

 

返事待ち

ToDoリストとか、タスクとかいう名前がついていると、

「これからやるもの」というイメージが濃厚についています。

 

でも中には、リアクションを待っているというタスクが、けっこうあるものです。

 

ToDoリストの中に、

これからやるもの と

自分からやることはないんだけど、完了してるわけではなくて、返事とかリアクションを待っているもの とが混在していると、

けっこう混乱するものです。

私のタスク管理は、混乱している状態を、ひどく嫌います。

 

そこで、返事待ちのタスクは、返事待ちとしてストックしておくことにします。

「返事待ちリスト」というカテゴリーを作って、

リアクションを待っているタスクは、そこに逃しておくようにしましょう。

 

 

 

さいごに

タスク管理の仕組みは、「行動サポートツール」です。

 

仕事の行動をサポートしてくれるので、秘書のようなものと思っていただいてもかまいません。”頼もしい右腕”っていう存在です。

 

あなたのできること、あなたにしかできないことに、

集中するために、秘書がいます。

 

市長くらいにならないと秘書を召し抱えることはできませんが、

自分の好きなようにタスクマネジメントシステムを組み上げることはできます。

あたかも秘書であるかのような。

 

忙しいあなたには、秘書(=あなたの分身)が必要です。

日々、仕事の降りかかるあなたを、一歩引いた立場から見守ってくれる存在(=あなたの分身)が必要です。

 

さあ、遠慮せずに、秘書を育てましょう。